いつも何かにトリツカレたように熱中しちゃうジュゼッペ。本能の赴くままに好きなことを飽きるまでやる。興味の対象は、三段跳び、オペラ、探偵、サングラス収集、と移り変わり、周囲の人たちに呆れられてもおかまいなし。そこに理由なんてない。彼は、誰のためでもなくただ自分がそうしたいから。
そんなジュゼッペが、恋に落ちる。相手は貧しい移民の女の子。今度は彼女のために全力を尽くす。これまでまったく無意味だと思われたトリツカレ事案が、次から次へとつながっていく。まるで、点と点が線となるように。
スティーブジョブズの演説で、その時々でやりたいことを本気でやればその経験が将来つながっていく、というのがあるがまさしくそんな話だった。今この瞬間、自分が心からやりたいことは何?そんな問いが読者に投げかけられている。承認欲求のためではなく、本当に自分がやりたいことってなんだろう。これってなかなかな問いだと思うのは私だけ?
おれ? おいおい、いやらしいやつだな。秘密だよ。51ページにさ、ちゃんとかいてあるだろうが、秘密って。だめだよ、そんなとこからのぞいたって、なんにもみえやしないから。(P.158)